穏やかな眼差しを、
柔らかな物腰を、
安心するその温もりを、
誰よりも自分が心から愛したのは争いを嫌い誰隔てなく接する優しさと何事にも流されない強い心。
イヴはフィリア達を連れて聖蘭ノ宮を出ていき渡り廊下を歩きながらその頭の中にはヒルトの事しか無かった。
彼は村で一番女性に人気だったからきっと新しい恋人が見付かっているに決まっている。
辛くて苦しくて仕方無いけれどそれが彼には一番いいことだと思った。
イヴは迷路のような廊下を歩きながらも窓から庭に目を向ける蘭や胡蝶蘭が咲き誇る庭は良く手入れが行き届いており美しく気品に溢れていた。
桜ノ宮は枯れない桜の木を中心に周りを桜の木々が囲み幻想的で美しくもあったがそれと同時に何か寂しさを覚えていた。
漸く桜ノ宮に着きイヴはホッと安堵の息を吐き出した。
そのままフィリア達を下がらして自室へと籠る。
そして日課である日記を机に向かい書いてから引き出しからあるものを取り出した。
それは木の箱に貝殻を砕いて散りばめてあり桜貝が五つ綺麗な形のまま張られている物だった。
その箱の蓋を開ければ流れてくるのは優しくて綺麗な音色。
この音色はイヴのヒルトがイヴの為だけに奏でそしてオルゴールにした曲だった。
「ヒルト……」
会いたい。
会って話をして抱き締めて欲しくてイヴは一筋の涙を流した。
そして口を開いて小さくある唄を口ずさむ。
柔らかな物腰を、
安心するその温もりを、
誰よりも自分が心から愛したのは争いを嫌い誰隔てなく接する優しさと何事にも流されない強い心。
イヴはフィリア達を連れて聖蘭ノ宮を出ていき渡り廊下を歩きながらその頭の中にはヒルトの事しか無かった。
彼は村で一番女性に人気だったからきっと新しい恋人が見付かっているに決まっている。
辛くて苦しくて仕方無いけれどそれが彼には一番いいことだと思った。
イヴは迷路のような廊下を歩きながらも窓から庭に目を向ける蘭や胡蝶蘭が咲き誇る庭は良く手入れが行き届いており美しく気品に溢れていた。
桜ノ宮は枯れない桜の木を中心に周りを桜の木々が囲み幻想的で美しくもあったがそれと同時に何か寂しさを覚えていた。
漸く桜ノ宮に着きイヴはホッと安堵の息を吐き出した。
そのままフィリア達を下がらして自室へと籠る。
そして日課である日記を机に向かい書いてから引き出しからあるものを取り出した。
それは木の箱に貝殻を砕いて散りばめてあり桜貝が五つ綺麗な形のまま張られている物だった。
その箱の蓋を開ければ流れてくるのは優しくて綺麗な音色。
この音色はイヴのヒルトがイヴの為だけに奏でそしてオルゴールにした曲だった。
「ヒルト……」
会いたい。
会って話をして抱き締めて欲しくてイヴは一筋の涙を流した。
そして口を開いて小さくある唄を口ずさむ。
