シイナか……。
いや、俺だっていろいろ考えたよ。でも、しっくりきたんだわ。
『シイナ』っていう名が。


「ゆぅ……。」

ゆぅ…?俺の事?

自分を指差す。

――コクッ――――

「何?シイナ?」

聞き返すと…。
あれ、黙っちゃった。

「ゆぅは、シイナが……怖くないの……?」

「えっ?」

あまりの質問に、聞き返した。

「だって、羽付いてるよ……。ゆぅとは、違うんだよ…。」


「皆、シイナを避けた……。道路歩いたとき…とか…。」

――ポスッ―――

「そっか。大丈夫だよ。」
「……?」


「だって、俺は、シイナが大好きだから。」

――――ポッ―――

顔が、赤いよ。
可愛いなぁ……。


「……ありがとう…ゆぅ…。」
「どういたしまして。」


あれ?そういえば、シイナ、家はあるのかな?

「シイナ、帰る場所ある?」
「………ない……。」


そっか、だよね。
納得、納得。

「シイナ、俺と一緒に住む?」


………沈黙。


「……いいの……?」
「大丈夫。大丈夫。じゃ、決定だね。」



―――コクッ――――


「ありがとう……。ゆぅ。」