「なあ、“しんきねー”はどんな意味なの?」

と、尋ねた俺に、

「“イライラする”だけど…。」

と、涼しげに華央璃ちゃんは言い切った。


「あっ…、そう…。」

と、俺が途方にくれていると、

「もう、いつまでも開けてないで、戻って下さい。」

と、華央璃ちゃんは、俺の手を引いた。

その反動で、俺の体は運転席を通り過ぎて、華央璃ちゃんに寄り掛かった。