「おーい。有紀奈ー。」 目をつぶって、墓石の前で祈っていた有紀奈の思考を遮ったのは、婚約者の声だった。 「終わった?」 「終わったわ」 「結婚式の前に済ませたいって言ってたもんな」 「だって忙しくて一度もお参りに来てなかったんだもん。何の報告もなしに、私だけ普通の生活するのはやっぱり皆に悪いわ」