「次は…副社長の元に行くんでしょ?スケジュールは詰まってんだから、さっさと行きますよ!!社長」



栗原はグイッと俺の腕を掴んだ。


「おい!?まだ、話は終わってないぞ!栗原」


「秘書にはなれないんでしょ?」


「だから、どうして?俺が秘書なんだ?」


「俺の肩には家族の生活がかかっているんだから、社長の身勝手な行動で路頭に迷わせないでください」


「・・・」


杏里ちゃんたちのコトを引き合いに出され、俺は何も言えなくなった。


俺の肩には栗原ファミリーだけの生活が伸し掛っているのではない。
『星凛堂』グループの全社員たちの生活が伸し掛っている。


俺の半端な行動で…全社員たちを…



「俺の言っている言葉…理解出来ましたか?」


「わかった」