「話は終わった…フロアに戻っていいぞ。麻古」


「…失礼します…」



麻古は先に会議室を出ていった。


「社長…お話は終わりですか?」


「栗原お前に話がある…」


「!?」
栗原は眼鏡をブリッジを指で押し上げて、怪訝そうに俺を見つめる。


俺はデスクに腰を下ろし、寛いだ。


「俺は今回の『スクープ』の件で、社長を辞任する。そうなったら、お前はどうする?栗原」


「・・・それは意外でした…トーマ社長は責任感の強いお人ですから、そんな半端なコトはしないと思っていました」


「意外だったか…」


「社長の椅子を手離してまで、後継者の重圧から美古さんを解放させたいんですか?麻古さんに代理母させるのは問題ありますが…子供を授からなかった時の最終手段としては妥当かと俺は思いますが…」