俺は叔母に会う前に、麻古のいる営業フロアに栗原と共に足を運んだ。


雑誌の発売日なもんだから、社員たちの視線を浴びる。


「社長…?」



「・・・濱部部長…少し話がある」


「あ、はい…」


俺は麻古をフロアから連れ出し、誰もいない第三会議室の前に。栗原に見張り役を頼み、室内にはふたりで入った。



「内線で呼び出したら済むコトでしょ?」


「副社長に見つかったら困るから…来ただけだ」



「え、あ…」


副社長の名前を訊いただけで、麻古の顔色が少し変わった。



「麻古お前…やっぱり、何か副社長に…」


「副社長から訊いたの?」


「お義父さんから訊いた…代理母の話を…」