自分が窮地に追い込まれたら、猫のように甘え俺に纏わり付く。
俺の優しさを逆手にとって、許しを乞い、全てを水に流させようとする。
コイツの汚い遣り方。


俺は何度もこの遣り方に上手く丸め込まれた。
今日という今日は断固、許さない。


「おい!?今回だけはちゃんとケリつけてもらうぞ!!消せ!!」


「しつこいよ~トーマ」


美古は頬を膨らせて、ワザと上目で俺を見つめ、胸を俺に押し付けて、今度は色気を使い始める。



どこまで…コイツは汚い手を使うんだ…たくっ



俺は、腕の中で抱き締めながらも、美古から視線も顔も逸らす。



「…」


美古は爪先立ちして、俺の頬に軽くキス。



「これで許して…トーマ」


俺の耳元で甘く囁き、許しを求める美古。