そう行って、先生は出ていった。




「祐希奈先輩……?」




どうしてだろう、もう痛くないのに。




辛く、ないはずなのに。




どうしても、痛かった。




反感を買った、恨まれたっていう感覚が、体中を包む。




どうしても怖かった、…そんなんじゃない。




ただ、悲しかったんだ。




「……ごめん、一人にしてくんないかな」



「………」



「…泣くとかダサいし、見られたくないし…」



「………」



「お願い……、行ってください…」




下に俯き、涙がでるのを我慢する。




「これで見えないですけど、いいすか?」




いきなり、後ろから抱きしめられた。




安心する声で言われたら、…あー、またやられた。