「あのねっ、日高君が…好きなの」




はっ? 誰、こいつ。




俺と知り合いだっけ。




水道の水を出しっぱなしにしながら、目を丸くし、前の人を見た。




頑張って顔を思い出してみる……、けど全く知らねえ。




冷静に考え、取り合えず蛇口を捻り水を止めた。




「ごめん。お前誰?俺と知り合いだっけ?」



「えっ、…違うけど。あたしの事、知らないわけ!?」




あたりめーだっつの。




世の中みんな、お前を知ってるわけじゃねーし。




露骨に嫌な顔をする。