「もしもし……」




あたしが弱く言うと、悠希君の焦った声が聞こえる。




『祐希奈大丈夫!?』




一声が、それだった。




大丈夫?




…そうだね、大丈夫じゃないなぁ。




精神的にも、疲れた。




それより……まだ、あの恐怖心が残っている。




「…助けて……、怖いよ…っ」




あたしは、崩れていた。




泣きながら悠希君に助けを求める。




しばらくの間、悠希君は息を飲んでいた。




『今どこ……?』



「家の、近く」



『今すぐ祐希奈ん家行く。待ってて』