「祐希奈先輩優しい」



「……優しい事してない」



「優しいですって
俺、好きですよ」



「………ありがとう」




好きって言葉、悠希君にとっては日常会話の一部なのかな。




そう思うと、なんとなく気持ちが冷めた。




って、なんで冷めたんだ……、悠希君は可愛いだけなのに。




「あれ、手、大丈夫ですか?
結構荒れてますけど」



「え、あー………
今の時期寒くないのに、やだな
すっごく乾燥肌で」




話の流れが変わり、はっとして我に返った。




クリーム何回塗っても荒れが治らないから、見られて指摘されたのがちょっと嫌だった。



こんな荒れてる手、女子じゃないよな……恥ずかしい。