ここに来るのは、何年ぶりだっけ……。




深呼吸をしながら、一樹君の家の前で立つ。




なんにも、変わってはいなかった。




…美嘉ちゃん、元気にしてるかな。




色んな思いが頭に浮かぶ。




あたしはまだ、一樹君の近所の人達に、否定されていた。




ほら、あたしを見て色々と言っている。




顔を、覚えられていたんだ。




足が、すくむ。




昔からあたしは、周りの目を気にするタイプだから。




……そう、だから昔、一樹君と…。




暗くなっちゃ駄目だ!




今は、今なんだから。




過去は消せないんだ、そう。