「っ、なんで、日高がいんのに行くんだよ…?」



「…沢村君には、関係ないよ」



「駄目に決まってんじゃん…!宮、日高好きじゃん。もし、…もしアイツが」




その後の言葉は、なんとなく想像できる。




一樹君は、そんな人じゃない。




昔の良いイメージが強すぎて、否定してきた。




心の中にいる一樹君は、一生“健全でいい人”。




それを変えなくちゃいけない現実を、聞いたばかりなのに。




あたしは、どうしても一樹君を否定できなかった。




「そんな事、言わないで…!あたしだって苦しいんだよ…。沢村君には、一生分からないよ…」