「……マジで、いいの?」



「ん、…大丈夫」




悠希君は、目をつぶる。




あぁ、あの時のあたしと同じ。




ゆっくり腕をつかみ、覚悟を決めた。




「………」




だけどさ、噛んでも思いっきりは無理だよ。




驚いた顔をして、あたしを見てきた。




「……無理、だよ…!」




あたしは悠希君に抱きついた。




「悠希君は悪くないし……、あたし、悠希君好きだよ…。も、やだよ……!」




あたしは、なぜか分かんないけど大泣きしていた。




そんなあたしを、悠希君はしっかり抱きしめてくれていた。