彼は、ズルい聞き方をする。




しっかり正座なんかして、あたしの目きちんと見て、真っ直ぐで。




「……好きだ、めちゃくちゃ好きだよ……!」




あたしの心、掴みすぎ。




悠希君に思いきり抱きつき、泣き笑いを浮かべた。




悠希君もあたしの背中に腕をまわし、強く抱きしめてくれる。




結局、昔好きだった人より、好きになっていた。




「……あのさ、一樹って人の話し…。前に何があったか教えてくんないかな?」




いつか、そんなひがくるって思っていた。




静かに笑い、頷いた。