「あ、あの…」



「っ、あ、はい」




考え事すら出来るほど暇だったあたしに、声がかかった。




横を見てみると、小学生くらいの女の子。




「お兄ちゃん……、知りませんか?」



「お兄ちゃん?名前は、なにか分かるかな?」




その子の目線とあうようにかがみ、喋ってみる。




「あ、あれ。お姉ちゃんだったんですか!?」



「あ、うん。あたし女だよ」




男用ウィッグをしているせいか、男って間違えてたんだ。




それも嬉しいけど、イケメンなのかあたし…。




それだけが心配だ。