純一の

熱い気持ちを知り、

医者も

二人を

応援することにした。
　
「分かりました。

　あなたが

　そんなに言うなら。

　ただし、

　無理があると思ったら、

　その時は

　中絶する覚悟も、

　有喜さんを失う覚悟も

　出来てるんですね？」
　
純一は

少し止まったが、

今は自分の選択が

一番正しいと

思っていたかった。
　
「わかってます。」

純一は

重い口を開いた。
　
「それはそうと、

　薬飲んでましたよね！

　子供に

　悪影響が出ますよ。

　もしかしたら

　もうすでに

　出ているかもしれない。」

医師は

カルテを見ながら

慌てて言った。

妊娠中に

薬を飲んでいると

奇形児が生まれる率が

高くなってくるのだ。
　

「そのくらいの知識は

　僕にもあります。

　子供を作るってことで

　ちゃんと調べました。

　薬は子作りを始める前から

　止めさせてます。

　だから最近

　表情がちょっと…。

　でも、

　まぁ、

　しょうがないですよね。

　何もかも完璧は

　求めてませんから。」

純一の

優しい口調に

医師は引き付けられた。

有喜が

純一と知り合って、

ほんとによかったと

誰もが思う程、

優しい旦那だった。　
　
有喜は別室にて

超音波検査を行っていた。

検査室の先生から

妊娠3ヶ月だと

告げられた。

有喜も純一も

心から喜んだ。

帰りの車の中では

子供の話で

持ちきりだった。