その日から

純一は毎日、

有喜の基礎体温を

調べた。

数ヶ月経っただろうか、

有喜の体に

異変が起きた。

純一は、

もしや!!

と思い、

かかりつけの

医師のところへ

有喜を連れて行った。
 
「御手洗さーん。」

看護師に呼ばれた。

純一は

有喜を連れて

診察室へ入っていった。

中では医師が

待っていた。
 
「久しぶりですね。

 御手洗さん。

 その後

 体調はどうですか?」

医師は

有喜に尋ねた。
 
純一は

すかさず口を開く。
 
「あれから、

 徘徊は続いてますが、

 そんなことは

 もういいんです。

 俺達は

 病気と

 うまく

 付き合っていくことにしました。

 有喜に

 負担がかからないように

 してます。」

純一は

自信満々に答えた。
 
医師は

不思議そうな顔をして

純一を見た。

 「じゃぁ、

 今日はなぜ受診に…?」
 純一は

少し勿体つけながら

医師に説明した。

 「ここ3ヶ月

 生理がないんです。

 で、妊娠かと…。」

純一の告白に

医師は唖然とした。

 「妊娠?

 御手洗さん
 
 何言ってるんですか?

 正気を失ったかな?

 有喜さんは

 病気ですよ。

 しかも…。」