次の日の朝、

「ありがとうございました。」

有喜はそう言って、

病院を後にした。

荷物は

カバン1つに入る程度しか

持って来てなかったので、

荷造りは簡単に終わった。

有喜の母は車を玄関先に停め、

有喜が帰ってくるのを

待っていた。
 
有喜の姿が見えると、

「おかえり!」

そう言って大きく手を振り、

車のフロントガラスから

顔を出している。

その顔はニコニコで、

有喜は久しぶりに

母の笑顔を見た。

有喜の母は車を走らせ、

向かった先は実家だった。