「善、何を言いたいか?ってさ、


だから、あたしも、何でもへっちゃらじゃないし、


ビビるし、

今あるモノ無くすのとか、怖いんだよ。善と変わらないんだ。


そこは…。



あたしね、バツイチなの。


子供もいるよ。


4歳と2歳になる女の子2人。」



善は、口から心臓が飛び出しそうな表情を見せた。



「待って、待って…もっと巻き戻して。」



「ハハっ。うん、



あたしも、どこから話そうか?

って思っていながら…


筋道立ててない………


話したいところから話すわ!…。」



黙って頷く善。



「相手は、善の知ってる人だよ。」



「は?……え?何が何だか、わかんない。待って、待って。」


今日は、何回善から待って、待ってを聞くことになるだろう?


そう思いながらも、覚悟を決めたあたしは続けた。



「ボスは、あたしの元ダンだよ。」



善は完全にテンパっている。



「ずっと、善があたしに、自分のコト、


話してくれているのに対して


自分の事、何も話さずに

人生悟ったように話す


あたしに、あたしも限界だったよ。


あたしも、模索中の日々なんだよ。」



善は、切なそうな顔をしながらも、


動揺しながらも、


話して!ってあたしの目を見ていた。



「相手あってのことだし、

増して、それは、善の上司だから、今は敢えて


別れた理由は話さない。


でも、時期は、今から2年以上前。


だから、あたしも


積み上げた積み木を壊す恐怖は、痛いほど知ってるよ」