ドライヤーをかけて それから香のいい
クリームを髪の毛につけて クシャクシャとした。

「おぼえておいてね。
後でまた復習するけどね クシュクシュって大切よ。」

「うちにこんなのないです。」

「どこでも売ってるから香の好きなもの
選んで安いのでいいから ちゃんとつけてね。」

それから顔の前に伊織さんのアップ

「少しメークしておくから。」

されるがまま…最後にやわらかいブラシが
優しく顔を移動していった。


「完了~~~。」


伊織さんは私を鏡の前に立たせた。


「う…うっそ…。」

鏡の中の私……

「軽くしてみたの。
いいでしょ?カットで動きが出るから。
姫ちゃんの髪の毛はやわらかいから動きがきれいに出るの。
それでここをクシュクシュって握ってあげて。」

「顔があかるく見える気がします。」

「そうでしょう。髪の毛が今まで顔を覆っていたから
それを軽くしてあげるとこうなるのよ。
あんまり短くしてないから学校行くとき
ここを二つに結んでも可愛いでしょ?
その時は上の髪の毛をクシュクシュしてあげて
ボリュームを出してあげてね。
メークは薄いから…でも普段もリップくらい
してあげてね。」

これが私なの?
昨日買った 最近流行りの洋服が
嘘のように似合っていた。

「ありがとうございます!!!」


私は思わず伊織さんに抱きついていた。