一途愛

宗方は一口で食べてしまった。

「どうですか?」ドキドキした。

「うめ~~~ぇ~。おまえ上手だな。」

嬉しくて悲鳴をあげそうだった。

「よかった~~~。
おねえさんの手作り食べてたら口がこえてるかなって
心配だったんです。」

「ねえちゃん?俺にはくれないからな。
ここで作っていって外に配るんだ。
有閑マダムだからさうちの ねえちゃんは。」

「お医者様の奥さまなんですね。
すごいですね~~。」

「すごいことねーって。お医者って俺らの家教だった人でさ
ねえちゃんに誘惑されてくもの糸に絡まったって感じ。」

「くもの糸とか……あははは…。」

おかしくて笑った。


「おまえも食べたら?」

「いえ 私はいいです。さっきケーキもいただいて。」

「俺 一人で食っていいんだ。」

「はい。宗方くんのために焼いてきたから。」

そう言って気恥ずかしくなった。


宗方くんのためって・……


「おまえさ 笑った顔 めっちゃいいのに……。」

「そ…やめてくださいよ。」

恥ずかしさも絶頂……。

私の頬は真っ赤に燃えてきた。