一途愛

「大丈夫だったのか?」

「あ ありがとう。うん 大丈夫だった。
昨日マフラー借りていたの返しに来たんです。」

慌てて答えた。

「ねえちゃん 無理やり連れ込んだな。」

「だって龍ちゃん~~今までにいないタイプで…
とっても新鮮だったんだもの。」

「うっさいな。
いいから早く帰ってメシの支度でもしてこいよ。
義兄さん もう帰ってくるんだろ?」

「それがね~~今日は当直なのよ~~。
だからこれから友達と飲み会に行くの。」

「遊び歩いて……。
俺が男だったらこういう女は嫁にはもらわない。」

「あら 私だって龍ちゃんみたいな
冷酷非道な男はまっぴらごめんだわ。
大関さん この子けっこう怖い子だから気をつけて
もうずいぶんの女泣かせて東京から
逃げてきてるから。」

「やめろって……。」

そうだろうな……。
宗方 かっこいいもの……。
もてたんだろうな……。

「じゃあね 大関さん また来てね。」

そう言うと玄関から飛び出していった。

「まったく……台風だな。ねえちゃんは……。」

「すみません。図々しくあがりこんでしまって。」

「どうせ引っ張られたんだろ?」

そう言うと宗方は私の持ってきた紙袋を覗き込んだ。