一途愛

「ほら ここのケーキ美味しいのよ。」
伊織さんが出してくれた。

「そんな…いえ…けっこうですから…。
もう帰らないと…。」

宗方が帰ってきて勝手に家に上がり込んでたら
きっと図々しいと思うかもしれない。

「これ ふとらないから大丈夫よ。
カロリーは少ないケーキなのよ。」


  いえいえ…そんなこと…心配してるのでは…。

「でも……。」

「いいから食べなさいよ!!」伊織さんが
イライラしたように言うから

「はい……。」

そう言って とにかくケーキを食べようと思った。

一口頬張ると
「うん?美味しい……。これは本当に
カロリーは少ないんですか?」

「そうよ。ごまかし上手でしょ?」

「どこのお店ですか?」

「私が作ったのよ。美味しいでしょ?」

「うわぁ 私もケーキ作るの好きなんです。
これの秘密しりたいです~~。」

夢中になって伊織さんのレシピに喰らいついた。
伊織さんも丁寧に教えてくれた。

「ただいま・・・・あれ?」

宗方の声がした。

「龍 お客様だよ。」
おばあちゃんがからかうようにして言った。


どうしよう……。
帰ってきちゃった……。