外が騒がしくなって その声がママなのはわかった。

「すみません ご迷惑おかけして。」

保健室の先生と一緒に入ってきた。

「あら?」
ママが宗方を見て目を丸くした。

「この子が 大関さんをお姫さまだっこで連れてきてくれて
王子さまみたいだったんですよ~
おかあさんにも 見せてあげたかったわ。」

「え~~見たかったな~~
だってこんなイケメンに……よかったね姫~。
名前をつけたパパも泣いて喜ぶわ。」


「ママ!!やめて!!」

「娘がお世話になってありがとうございました。
優しくしていただいたんですね。本当にありがとう。」

ママはいきなり宗方の手をとって勝手に握手した。

「いえ。じゃあ…行きます。」

宗方は保健室を出て行った。


「ちょっと~~素敵な子だね~~~。」ママ


「もう~~恥ずかしいでしょ ママ~~。」

知ってるよママが 私の彼に会うのを
すっごく楽しみにしてるの。
でもね


宗方は彼にはならないよ……。
きっと優しいのも時間の問題だもの……。

みんなそうやって私から去っていくんだ。