「大丈夫だったか?」

宗方の顔が見られない。

「ごめんなさい…重たかったでしょ……。
みんなに……バカにされたでしょ……。」


「何言ってんだよ。
言っただろ。俺は力持ちなんだって。
ちっこい時から有名だったんだって。」

なんだかフォローしてないよ……。

「おまえなんか全然重いうちに入んないし。
おまえの三倍あるかあちゃんだって なんとか
持てる…いや…あれはちょっとな~~~。
よくかあちゃん いい年した息子におんぶして~~って
きたえさせられたんだ。つぶれたけどな~~。」


「ほんと?そんなに辛くなかった?」

その言葉にホッと一安心……。


目まで布団から出した。


「痛かっただろ?」

「でも 楽しかったです。ありがとう。」

「最後におまえ狙った奴 顔めがけて投げたの先生見てて
すげーヤキ入ってたな。ざまみろだって。」

「ほんと?やった~~ぁ~!!」

思わず嬉しくなって顔を出した。

「顔 腫れてるぞ……。」

「キャ……見ないでください。」

また布団をかぶった。
宗方の笑い声……。きっとこの学校で
宗方のこういうとこ見てるの 私だけなんだ。

初の優越感を覚える。