今さら何をしようというんだろう。
何を聞きたいと思ってるんだ。

姫の家の前で 電気のついた姫の部屋を見ている。

出張先で聞いた親父が倒れたという話
正直 このまま逝ってくれないかと思った。
あいつのせいで俺がどれだけ辛い思いをしていたか。

病院は姫の勤めている病院だった。

姫に会えるかもしれない。

俺の心は正直に踊っていた。
葉月の手術の日 姫に見つからないように
働く姫を見ていた。


女々しい男だな


そう思ったけど 心が体が姫を求めている。


こんなに愛してんのに何で別れたんだ?

心の中はその憤りでざわついていたけど姫は
俺とは違っているように思えた。


いい笑顔で患者に接していた。
先輩看護師に叱られている。
先輩の後姿に 右足でちょっと軽く蹴りを入れている。

可愛くて愛おしくて…
後から抱きしめたい衝動にかられる。

おまえは平気か?
俺はおまえがいないと…


おまえじゃなきゃ ダメなんだ。
失ってあらためて痛感する。

愛してるって・・・・・。