一途愛

引越しの用意は無事に終わった。

赤ちゃんが生まれるまで ママが木曜日から日曜日まで
来てくれることになった。
金曜日の夜か 土曜日の朝 パパも来ることになっていた。

マンション…アパートは
病院の社宅を借りた。
病院から歩いて10分のところ。

後は引越しを待つだけ。

その日 私は美里と買い物に行く予定だった。

美里の車を待ってると
黒い車が停まった。


「彼女~~。」
助手席の窓が開いて 男がそう呼んだ。


彼女って・・・こんなにお腹おっきいのに
バカじゃないの。

無視してると

「姫 俺だよ。」

よく見ると綾人が笑っていた。


「どうしたの?」

「美里が時間立てこんで ピンチヒッター
ニ時間姫のおつきあいをすることになりました。」

車を降りて 綾人が助手席のドアを開けてくれた。

「さ お姫さまどうぞ。」

「何がお姫さまよ。」

私は少し車高の低い車に綾人の手を借りてのりこんだ。

「どこ行くの?」

「俺からもお祝いあげたいなって思ってさ。
美里から聞いたよ。どんだけ純愛なんだか。」


「うふふ・・・。
ほんとバカでしょ。私。」

綾人の横顔 めっちゃ可愛い。