一途愛

「おばあちゃん 拓をちょっとお願いしていい?
ゲームセンターで遊ばせてくれる?」

私から離れない拓実を

「拓 おばあちゃんとゲームしておいで。
千円だけあげるからこれで自分のやりたいこと
よく考えて遊ぶんだよ。」

「姫と後で ご飯食べる?」
不安げな拓実が可愛い。

「食べる食べる。いいでしょ?
ここで付き合ってくれる?」

「はい。行っておいでたくしゃん。」

安心した顔で
「ばあちゃんいこ。」

おばあちゃんは私の頭を優しく撫ぜて微笑んだ。

二人の背中を見送ってると

「ちょっと 来なさい。」

伊織さんの車につれていかれた。


「ね どういうこと?私には会ってるよって
アイツ嘘ついてんのね。」

ヤバい・・・・
知らなかった・・・・。

「龍を責めないで下さいね。本当に私なら大丈夫です。」

「姫ちゃんがねホントに大丈夫だとしても
アイツがダメなのよ。龍が大丈夫じゃないの。」

「可哀そうです。背負ってるものが大きくて…
私には支えてあげられる力がないんです。」

「婚約のこと?あのクソ親父が…龍を縛り付けるのに
適当に組んだことなのよ。」

「でも葉月ちゃんも 龍がいないと生きられない。」

「お人よしすぎるわ姫ちゃん。いい加減にして。
あなたの人生よ。龍を手放していいの?」

「龍が…龍を信じてるから…。
龍の出した結論を私は信じてます。」

伊織さんが大きなため息をついた。