そんな毎日で伊織さんが男の子を無事に出産
龍はおじさんになった。

伊織さんに抱かれている赤ちゃんは小さくて
壊れそうで 

「姫ちゃん抱いてみて。」伊織さんが言ったけど


「落としたら大変だからいいです。」
何度か断ったんだけど

「姫ちゃんはこの子の命の恩人だから
抱いてあげて。」伊織さんの言葉に

おそるおそる抱いてみた。


「うわ~~~可愛い。」
同時に命の尊さを感じる。


「龍に似てるのよ。あの子と私はずいぶん年が
違ったからおぼえてるの。」


「そうなんですか?」

龍の赤ちゃんの時に似てるんだ

そう思うとなお愛おしく感じる。

「龍も頑張ってる様子だったわ。
姫ちゃんにお世話になったこと話したら
なんか姉弟で姫に助けられてるんだって笑ってた。」


「そんな…私の方が助けられたのに。
よくしてもらって…龍や伊織さんに出会って
今の私がいるんだと思います。」

「そう言ってもらえると嬉しいわ。」

赤ちゃんが大きなあくびをした。

「きゃ~~めっちゃ可愛い~~。」

伊織さんと爆笑・・・・・。
この子のおかげで 未来を感じられた気がする。

「伊織さん 私 看護師目指します。」

赤ちゃんはまた大きなあくびをした。