真っ赤な首輪にはリボンがついていた。

「これって宗方くんが選んだんですか?」

宗方はばつが悪そうに 頭をボリボリかいた。

「黒猫ったら これしかないだろ。
それに女だし。」


「あ 女の子でしたか。
うちは男の子です。」


猫のことになると スラスラ~っと言葉が出た。

「お名前は?」

「月って書いて ルナ。」
宗方はぶっきらぼうにそう言うと ブレザーを
大きなベットに投げる。


ルナはその音の方へ私の腕からピョンと移動した。

「ルナですか?私はルナタにしました。
素敵…宗方くん…ありがとうございました。」

「いや…ってさ
こいつもおまえ連れてってくれない?」

「そ…それは…ちょっと……。
そんなこと言わないで……動物がいると心が
穏やかになりますよ。」

「は?」

私は慌てて
「癒されるってことです。」と言い換えた。

「こいつがいると…俺遊びに行けないんだよな。
自由じゃない……。猫より遊びたいんだって。
だけどこいつがいたら…帰ってきてしまうんだ……。」


宗方っていい人なんだ……

私は心が温かくなった。
ルナはいい飼い主見つけたね……。
宗方の指にじゃれるルナ そんなルナを見つめる宗方

優しい顔…するんだね……。


以外な一面を見た気がした。