「君と別れる決意をしたから 留学も受け入れたんだよ。」

頭の中がガンガンと鳴っている。


嘘でしょ・・・・。


「悪いけどそういうことだから。
婚約者は龍もよく知ってる子なんだ。
ちょうど家庭教師もしていたし 向こうの子は
龍のこと好きらしいから。
大学卒業してきて そしたら婚約者もちょうどいい年に
なるだろうし。」


葉月のこと?


確かに葉月が龍に恋してるのはよくわかった。

だけど龍が・・・龍が
それを承知したって…どういうことなんだろう。

「ん?帰りは龍と最後の下校するのかい?
本人から直接聞いた方がいいか。
迎えにきたけれど…ま 帰るとするか。」


そう言うと茫然としてる私を
嘲笑うかのように 父親は私の顔を見て笑った。


嘘だよ

またあんたが何かしたんだ。


龍は絶対に裏切らないもの・・・・・。


車が立ち去った後
うつむきながら 龍が歩いて来る。


龍・・・・・。