歩き出すと 担任が 
「宗方 書類あるから職員室に寄ってくれ。」と言った。

「先に校門のとこで待ってて。」

龍は職員室に入っていった。

今年は雪解けが早くて 今日はとくにポカポカしていた。

校門で龍を待った。

「大関さん。」声がした方を向くと龍の父親が立っていた。

パパのこともあったから頭をさげた。

「急だったけど 龍もやっと心を固めてくれて
親父の遺言だから 会社は親父の宝だからな
ある意味 子供より可愛いってね。」

私は龍の父親の出方を見ていた。

「大関さんには申し訳ないけど きみも
また違う人見つけて 平凡な人生を歩いて下さい。」

「違う人?」

「前も言ったよね?龍には婚約者がいるんだよ。」

「婚約者ですか?勝手なこと言ってますね。
そこまで自分の息子を縛り付けるんですか?」

「いや 縛りつけるんじゃない。
間違いを犯す前に 軌道修正させるんだ。」

「私が間違いなのですか?」

「龍には間違いとしか言えないな。」

「私たちはお互いを必要としてます。」

「龍の人生に 君は必要ないよ。」

「愚かな人ですね。」

「婚約は 龍も承知だから。」

「え?」

「婚約は 龍も納得してることだ。」


嘘・・・・・だよね・・・・・。