もう誰に見られてもよくなって私たちは 学校でも
話ができるようになっていた。

「龍 進路どうするの?」

「うん…前も話しただろ。先生になりたいって。」

「すごいな~もうちゃんと将来を考えてる。
私はまだ何も見えないのに……。」

「姫はまだ進化中だからさ。それなりの準備は必要だけど
焦っても仕方ないよ。年をとってもやりたいこと
見つけられる人間は一握りだし
見つけても 叶えられるかは またその中から更に絞られる。」

龍はたまに大人っぽいことを言う。

「龍ってやっぱ先生に向いてるかも。
その台詞 私には全く浮かばないわ。」

龍は笑いながら

「経験はたっぷりしてきたからね。」

と言った。

「どんな?」

「悪いことの方が多かったな。
今は 姫がいるから スゲー楽しいけどね。」

嬉しくて頬が火照った。

「やっぱ姫はこっちの方がいい。
厚塗りだと こんな美味そうなりんごほっぺ見えないからな。」


私は頬を少しふくらませて

「龍がいいって言う方がいい。
残念だけど・・・・・。」

「もう少し大人になるまで 変身は極秘にしとけ。
人の意見なんかどうでもいい。
俺がいいって言えばそれが正解それ以外は無。」

怖い顔・・・・。


でも龍が私を好きでいてくれれば
何もいらない・・・・。
ちょっと背伸びもできるってことわかっただけで充分。


「今日…バイトないよ。
来る?」

龍の囁きに ゾクゾクした。