一途愛

「やっぱ俺はいつもの姫がいい。」

龍は角を曲がったところで急に立ち止った。

「何で?私 龍のタイプじゃない?
龍に一番キレイだって言ってほしいのに。」

「キレイかもしれないけど 俺はいつもの姫がいい。」

龍が駄々っ子のように見えて
思わず抱きしめた。

「ほら いつもの姫ならこんなこと
自分からしないよ。」

「私だってほんとはもっと積極的なことしたいんだもん。
いっつもそんなとこ恥ずかしいから大人しくしてるけど
私だって自分から龍を抱きしめたいって
何回だって思うんだから。」

龍の唇が耳たぶに触れた。

「今日も…思った?」

「思ったよ。すっごく……。
帰りたくなかった……。」

「ごめんな。
次は絶対に ちゃんと時間をつくるから。」

反対に龍の耳たぶを優しく噛んだ。

「龍は?今日 私を抱きたかった?」

不思議だった。
自分に自信がついただけでこんな恐ろしいこと
聞けちゃう自分・・・・・。

「ほら…いっつもの姫はそんなこと聞かない。」

楽しくなって龍の耳の穴に息をふきかえた。

「抱きたかった?」

声が震えた。

「ムカつく・・・・・。」

お互いを求め合うキスは 心も体もとろけてしまいそうだった。