一途愛

「うん。」

「まだ付き合ってたんだ。」

「まだって・・・。」思わず苦笑した。

「いや 店長が昔 うちの弟は女癖が悪いからって
よく言ってたからさ。」

「すごく よくモテるよ。」

「なんだってね。小さい頃からモテまくってたって。」

「うん。らしいよ。」

そうなんだ・・・・。
知ってるけど そんなにモテまくりだったんだ。

「似合わなくね?」

「え?」

「あ ごめん 失礼なこと言って・・・。
女癖悪いって身内に言われてるって相当だけど
姫みたいな子に ヤバイんじゃない?」

「あ 私には全然そんな人には見えないから。」

少しムッとした。
関係ないじゃん・・・って。

「男はずるい生き物だからさ 姫 みたいな純情そうな子には
なんか・・・・あれかなって ごめん失礼なこと言って。」

「龍は全然 ずるくないから…
大丈夫だよ。私には…わかるもの。
龍は信じられる。」

綾人は頭をポリポリと掻いて


「失礼いたしました。」とおどけた。


私もその笑顔に 思わず笑顔になった。

「広告出る前に また連絡するよ。
俺はもう少しいるから いいよ 行って。」


綾人はすんなり帰してくれた。

「ごちそうさまでした。今日は本当に素敵な時間
ありがとう。」

お礼を言って 店を出た。