一途愛

「葉月 今日はやんない。
帰れ。」

龍の声が一段と低く響く。

「やだ 帰らない。」

「今日は俺は彼女とデートなんだ。
予定変更は無し。帰れ。」

私は嬉しくて万歳したい気分だった。

「送って行く。」

葉月はうつむいたまま・・・・・。

少し可哀そうかな・・・・。

「早く立てや!!。」


私も一緒に驚いて立ち上がった。


「送ってくるから ごめん 姫待ってて。」

「うん。」

そのくらい待つよ。
私を優先してくれて嬉しかった。

「いい!!一人で帰る!!!」

葉月はリュックを持って部屋を飛び出した。

「ごめん いってくる。」

龍はその後を追って行った。


大丈夫 帰ってくるもん……。
私はバルコニーから外を見た。


葉月がすごいスピードで走って行った。


その後を追ってきた龍が立ち止った。


「バカ 先生なんてもう来なくていいから。」

そう叫ぶと葉月の姿は消えた。