一途愛

「ごめんね 私のせいで……。」

「きにすんなって。」

私は龍の口から出ている血をハンカチでおさえた。


「ひどい・・・・痛いでしょ。」

「あいつの暴力慣れてっからどってことないよ。」

「待って…待ってて。私・・・・・・。」


怒りが湧いてきた。
テキトーなこと言いやがって……。
今までに経験したことのない興奮が私を違う何かに変身させた。

「姫?」


私は走って 自分のクラスに飛び込んだ。
英語の時間。

「大関 早く座りなさい。」

教科担任が 黒板の方を向いた瞬間
私は バカにしたような目で見ていた 松田の頬を
思いっきり引っぱたいた。


「いって~~~ぇ~何すんだよ コラ!!」

「やめろ 姫。」龍が飛び込んできた。

「やめて 来ないで。これは私の問題だから。」

私は松田の教科書を床に吹っ飛ばして

「てめーテキトーなことかあちゃんに言ってんじゃねーよ。
てめーらが裏庭でタバコ吸ってんのも言ってやるからな。」

もう私じゃなくなっていた。
龍を守るため 私だって停学になってやる!!

「あ・・・?お…おまえ 何言ってんだ!!」

松田のカバンの中にタバコがあるのを知っていた。
私はカバンをとりあげて
教科担任の前でタバコを出してやった。

「てめーも停学だろ!?」

もう私は止まらない。