一途愛

完全に素直になるタイミングを失っていた。

「我慢してまで付き合わなくていい
無理して一緒にいてもらわなくていい。」


龍は何か言いかけたけど 大きなため息をついて


「じゃあ 勝手にしろ。」

大股で歩き出してしまった。


待ってよ バカ……わかってよ……。
素直になれないんだもん


もっと強引に抱きしめてよ。
そしたら素直になれるのに……。


半べそだった。
早く家に帰って 思いっきり泣きたい気分だった。


「魔法が切れちゃったよ。」

コンビニから出てきた人が私を見ていたから
気味わるくて下を向いて歩いた。


「あ あの~~~。」

声かけられたし・・・・・

私の緊張感はMAXになった。


「俺のこと…おぼえてませんか?」

「え?」

おそるおそる顔をあげるとそこにいたのは
シャンプーの達人だった。


「あ~達人!!!」
思わず指をさして大きな声を出した。