一途愛

「いい親だな。」

龍が部屋にきてそう言った。


「うん。おかしな名前さえつけなかったら
いい親だね。」


「いい名前じゃん。姫んちには愛情を感じるよ。」

「ありがと。」

「俺は…かあさんには愛されたな~めっちゃ。
だからかあさんがいれば 他には何もいらなかった。
だけど男の反抗期は複雑なんだよ。
一番好きなものを あえて つぶしたくなる。
時間が戻せるなら あの頃の俺に言ってやりたい。
大切にしろって・・・・・。」


「うん うん でもきっとおかあさんも
今の龍見て 喜んでる。そう思おう。」

「サンキュー。」

龍は私の肩に頭を乗せた。


「今は 姫だけいればいい。」

恥ずかしくてドキドキした。


「今日の龍も……かなり好き。」

「ねえちゃんが 保護者うけするようにって
頑張ってくれてたからな~~。
これからこっちの路線で行くかな。」

「え そしたらもっとモテちゃうよ。
優しい龍だったら…私心配で死んじゃうもん。」


「俺が優しくなれるのは 姫だけだから
安心していいって。信用されないな俺・・・・。
こんだけ恥ずかしい言葉連呼してんのに。」

「ごめんね…。
でもやっぱり…不安なんだもん。」


どうして私ってこんなに卑屈なんだろ。