「嫌な思いさせてごめん。
姫を傷つけるつもりはなかったんだ。
ミチルとは終わってるって思ってたから。
俺のこと軽蔑したよな。
実のきょうだいと愛し合ってたなんてさ。」

「それは…正直ビックリしたけど…。」

「かあさんが俺とミチルが付き合ってる事を知って
ものすごく反対したんだ。
かあさんが死んだ時も 俺はあんまり反対するかあさんに
ミチルと暮らすってそう言って出てきたんだ。
かあさんの遺品 片付けていたら
日記が出てきて・・・・・。
俺は真実を知ったんだ……。
ミチルにはとても真実を言えなかった。
距離をおいてミチルを避けて…その真実を
うやむやにしようと思ってたけど……。
きょうだいで愛し合ってたなんて……それは…それを知ったら
鳥肌もので……神様なんか信じてないけど
でも……背いた罰が当たりそうで…怖くなった。
そのうち 秀樹とミチルができてること 噂で知った。
秀樹がミチルを好きだったのは知ってたし
秀樹なら…ミチルを大切にしてくれるって
そう思ったから……俺は こっちに逃げてきたんだ。」


私の髪の毛から滴がポタポタと落ちた。

「俺のこと…気持ち悪いか?
きょうだいと関係があったって…
変態だと思うよな。」

龍が壊れてしまいそうだった。


「龍はまだミチルさんを忘れられないんじゃない?
結ばれないけど…だからこそ忘れられないんじゃないかって
私はこんなんだし 自分に自信もないし…
龍に似合う女の子でもない……だから
不安で不安で仕方がなくて……
そんな私が……情けなくて……。
クリスマスだって…忘れてて……。
彼女失格でしょ……。全部初めてで……
心が追いつかない……。
龍が好きで…好きで…どうしたらいいのかわかんない…。」


龍が私の濡れた頭を おいてあった
バスタオルで優しく拭いてくれた。