「姫ちゃ~~ん。」

ミチルは天使の仮面で手を振った。

ソファーに図々しく座っている。
私がルナを抱いているのに気づいて

「ごめんね。私猫ダメなの。
外出して~。」と言った。

この人嫌い

もっと嫌いになった。

「ここはルナの部屋だからな。」
龍はルナを部屋の奥の出窓の上において
頭を撫ぜる。

「意外~~龍ってそんなヤツだった?
なんか猫飼って 猫かぶっちゃった?
あはは~~。」能天気に笑ってる。

「秀樹はいつくんだよ。」

「親戚のとこに私も連れて行こうとしたから
勘弁してもらったの。だからあいつは夕方かな。」

「は?何しにきたんだ おまえ。」

「パパの用事もあったしね。」

パパとか…無神経な女……。

「それで終わったんだろ。早く帰れや。」

「おばあちゃん ご飯食べて行きなさいって言ったもん。
おじいちゃんにも会いたいし。」

「で?姫呼んで おまえ何したいの?」
龍がルナを抱き上げる。

「だって二人っきりだったら秀樹も
姫ちゃんもイヤでしょ?」

そりゃそうだけど……
何したらいいの……。

これからの時間を考えると気が滅入ってしまった。