……んっ?
気のせいだと思うけど、わたしの目にキラッと輝くものが映った。
「これ…」
箱を持つ手が震える。
な、なんでこれが…、今…?
「結婚指輪だ。一応持っていろ」
「けっ…!」
結婚指輪ぁぁぁ?!
見間違いではない、聞き間違いでもない。この小さな箱の中にはやっぱり指輪が入っており、翔くんはさっき確かに結婚指輪と言った。
「な、なんで!?」
「夫婦なら持っていても普通だろ」
「だから、なんで今!!?」
わたしの誕生日から早、3ヶ月。今までは設楽の恥だとかなんだとか言って、夫婦的な証は絶対に表に出さなかった、てかなかったのになんで今になって指輪!?
翔くんはめんどくさそうに机に肘をつけて、こっちに視線を向けていた。

