「何しに来たの?」
そう聞くと、兄さんたちは顔を見合わせた。
「それは」
「もちろん」
パチンッ
互いの片手を合わせ、気持ち悪いほど満面な笑みをした。
「「卒業おめでとーって翔くんに」」
「やっ、翔くんあっち、あっちだから!」
何わたしに真っ先に抱きついてきてるのよ。
わたしが指差した方向を向き、兄さんたちはわざとらしく『あら』『まぁ』と口を押さえた。
そして
「かっけるーくん!元気だったーーー!!」
「そっつぎょうー、おめっでっとー」
さっき同様、すっごい勢いで翔くんに抱きついた。
本当にすっごい勢いだったのか、翔くんと兄さんたちはバランスを崩し、床に倒れこんだ。
ドンッ

