って、違う違う。
寂しくなるのはわたしじゃなくてあのお嬢様方!わたしは全然!むしろ、いなくなってくれて嬉しいわ。ほほほ
卒業したってことは翔くんはこれから大学に通いながら、真剣に仕事をし始めるってことだから、お屋敷でも会える確率はやっぱり減ってしまうもので
……………
ぜっ、全然寂しくないもん!!翔くんなんてどこにでも行っちゃえばいいんだよ!!
校門の人だかりを横目で見ながら、わたしは亀谷さんが待つ車へと急いだ。
「ありがとうございました」
いつものようにお屋敷に送ってもらい亀谷さんにお礼を言ってると、丁度その時一台の車が亀谷さんの車の後ろに止まった。
運転席から桂さんが出てきた。ってことは…
桂さんが開けた車のドアから出てきたのはやっぱり、さっきまでお嬢様方に囲まれていた張本人である。
「…………」
「なんだ、人の顔じーっと見て」
ビクッ

