確認のためにもう一度そーっとベットから頭を出すと、スーツ姿の翔くんが忙しそうに部屋の中をウロウロしていた。
1人で考えても思い出せないんだ、ここは翔くんに…
「あ、あの…」
勇気を振り絞って声をかけてみると、翔くんはこちらを振り向かず『なに?』と返事をしてくれた。
「き、昨日はあのあとどうなったんですか?わたし、記憶になくて…」
「…。今日の午前4時ぐらいまでは起きてたが、俺が1人で他のDVDを見始めると、気付いたら隣でよだれ垂らしながら爆睡してた」
よ、よだっ…
ますます女の子らしくないところを翔くんに見られてしまった…。
「じゃあなんでわたし、ベットの中にいるの?」
「俺が運んだ」
「えっ!?」
か、翔くんがわたしを運んだって…
わたしはサーッと蒼くなった。

