今のわたしは翔くんの背中を見つめているだけの昔のわたしとは違うってことを見せ付けてあげる。
「わたし、絶対に翔くんのことお笑いマスターにしてあげるから。任せて!」
「別にマスターってほどでは…」
「じゃあ、もう一回最初からこれ見よう。どこが笑えるポイントか教えてあげるから」
DVDを巻き戻し、わたしたちの長い長い夜が始まった。
チュンチュン
んっ…、もう朝ですか?
今日も新しい一日の始まりですね。
目を擦りながらもぞもぞと起き上がり、パチッと目を大きく開けると、そこには信じられない光景があった。
「あっ、やっと起きたか。おはよう」
わたしの目の前で翔くんがネクタイを締めている。
なんで、わたしの部屋に翔くんが…?
もしかして夢…?

