何事かと思い、顔を覗き込むと、信じられない光景を目の当たりにした。
「布団がふっとんだ…ははっ」
超笑顔の翔くんがお腹を抱えながら、大爆笑してるのだ。
って、えぇぇぇぇ!?
ちょっ、ちょっと待って…
えっ、もしかして今まで翔くんが笑わなかったので、笑いのポイントがずれてるってことじゃなくて、ただ笑いの沸点がものすっごく低いってこと?
だって、演技でこんな大爆笑できるわけない。
だからか、テレビのお笑いは翔くんにとってハードルが高すぎたから理解なんて出来るわけがない。
…それにしても…
笑いすぎじゃないかな…?翔くん…
親父ぎゃ…じゃなくてダジャレで大爆笑する翔くんを見てわたしは幼い頃からの理想の翔くん像がガラガラっと崩れていった。
もっとスマートに笑うと思ってたのに、親父…じゃなくてダジャレでこんな大爆笑できるなんて…
冷めた目で翔くんをジーッと見ていると、その視線に気付いた翔くんは冷静に戻ったのか、頬を少し紅くさせながら、こほんと咳払いした。

