「か、翔くんがどうしてもって言うならわたしが教えてあげても良いよ」
胸を張りながらどーんとそう言ったわたしはテレビのチャンネルを変えた。
てか、こいういことしか翔くんに教えてあげられない。
「いやっ、別に頼んでないけど…」
「まずこの芸人さんなんだけど」
「おいっ、聞け!」
絶対に断られそうだから、翔くんの声を無視し、わたしは1人でべらべらと説明し始める。
最初は文句を言ってた翔くんだけど、時間が経っていくうちにどうでもよくなったのか、ちゃんと話を聞いて、相槌を打ってくれる。
たったそれだけでもすっごく嬉しいのだ。
単純と笑われるかもしれないけど、幼いときから翔くんと会話らしき会話をした記憶がないわたしには翔くんがわたしの話を聞いてくれてるだけでとっても嬉しい。
一応言っとくけど、特別な感情は含まれておりませんので、ご了承ください。
そして数時間、一通り笑いについて語り終える。
普通ならこれでなんとか、いけるだろうと思ってたわたしが甘かった。
「………」
「……か、かけっ…」
ピクリとも笑わない…

